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capsuleアルバム『Stereo Worxxx』評 2012年3月15日付ジャパンタイムズ記事意訳

2012年3月15日付ジャパンタイムズ記事
LISTENIG POST
capsule “Stereo Worxxx”

BY イアン・マーティン
ジャパンタイムズ特別寄稿

 エレクトロポップ・デュオcapsuleの2011年のヒットアルバム『WORLD OF FANTASY』は、アルバムの前半に『The Music』のような革新的なアイディアの詰まった曲達が揃えられ、それぞれの曲がバラバラで無分別に並べられているように見えながらも(ある意味においてはきっちりと揃えてあると言えるかもしれないが)、快楽的な雰囲気、際立つビート、そしていつもどおりのメロディにほとんど意味を成さない歌詞を乗せたダイナミックなポップソング集であり、全曲BPMを128に揃えたコンセプト・アルバムであると言えたかもしれない。

 今回の新しいアルバム『Stereo Worxxx』は、前作『WORLD OF FANTASY』よりも、2010年のアルバム『PLAYER』に回帰し、ミュージシャン中田ヤスタカが、彼の今までの楽曲で培ったアイディアを昇華させ、さらにその才能で遊び狂ったアルバムと言えるだろう。

 最近、capsuleと彼がプロデュースするPerfumeとの曲調の違いが鮮明になってきたことについて不安に感じていたファンのために言っておくが、このアルバムには2つのユニットがまだ同じ土俵の中にいるとはっきりと判る要素が散りばめられている。

 『Stereo Worxxx』の冒頭の2曲、『Feelin’ Alright』と『Never Let Me Go』はPerfumeが歌ったとしても違和感はなかっただろう。この2曲は『ワンルーム・ディスコ』の焼きまわしではなく、『GAME』や『edge』のような曲を中田ヤスタカがまだ作れるということを証明してくれた。

 こしじまとしこのヴォーカルは、シンプルなメロディと叙情詩的な歌詞のモチーフにそって適度に抑えられ、そのヴォーカルを、音のトーンとテンポの移り変わりごとに、ビートとシンセサイザーが取り囲む。
 
 このアルバムは、全く正反対といってもいい『WORLD OF FANTASY』のような典型的なサウンドのリピート攻撃とイライラさせられるほど甘ったるいフワフワ感のある『JPN』のようなPerfumeのポップソングを、未完成であるものの、融合させたらどうなるかという良い例だ。

 前々作のアルバム『PLAYER』と同じように、この『Stereo Worxxx』には中田ヤスタカの映画サウンドトラック『LIAR GAME』から2曲が取り入れられている。まず『Step on The Floor』。これが素晴らしい出来だ。Perfumeの『VOICE』や前述の『ワンルーム・ディスコ』のような典型的なポップソングに仕上がっている。
 
 中田ヤスタカの作るポップソングは、素晴らしいコーラスに入る前に必要以上に長く残る平凡なメロディを聞かされることがよくあるが、この『Step on The Floor』は同じ事をやると見せかけて、約1分過ぎたあたりから新しいメロディがガンガンと我々の耳に打ち付けてくれる。

 この曲は中田ヤスタカの最高の楽曲の一つだろう。多重なメロディのアレンジとシンプルさは同居させることができるというテクノポップの素晴らしいお手本だ。
 
 2011年の『WORLD OF FANTASY』の大ヒットの余韻は2012年になってもまだ続いているようだ。
 中田ヤスタカは日本の民族音楽と『祭』のリズムのエキスを抽出し、その楽曲の中に取り入れている。『Tapping Beates』は『WORLD OF FANTASY』で培ったアイディアを取り入れ、さらにそれを昇華させている。またもう一つのサウンドトラック曲『All The Way』はタイトルトラック『WORLD OF FANTASY』の続編と言える出来栄えだ。

 その一方で、ほとんど自閉症かと思われる女性と赤ん坊が曲のタイトルを繰り返し叫び続けるという『Dee J』のような曲もある。2011年3月、『STRIKER』や『I JUST WANNA XXX YOU』という、正直なところちょっといただけないのような曲も入っているアルバム『WORLD OF FANTASY』に更に付け加えるにはあまりに馬鹿げすぎていて、中田ヤスタカもこの曲はあえて外し、今回のアルバムに入れたということなのだろう。
 しかしながら、それだけでこのアルバム全体をダメだと言ってしまうのは早計だ。

 まだまだ言いたいことはたくさんあるが、この『Stereo Worxxx』は明白な方向性と主張についてはまだ曖昧なものの、間違いなくターニングポイントとなるアルバムだ。このアルバムはcapsuleと中田ヤスタカのプロデュースするPerfumeの両方のファンの望みを叶えるのか?と思わせるものの、そこは肩透かしを食らわせる。
 
 しかし、最も重要なことは、この2つのユニットが全く相容れないものではないということが明白になったことだ。これは2つのユニットの未来にとって間違いなく良い兆しであるといえるだろう。


原文
 2012年3月15日付ジャパンタイムズ記事 capsuleアルバム『Stereo Worxxx』評
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No title

翻訳ありがとうございます。
確かに若干厳しい評論ですが、評価してる部分もあるんですね。
他のPerfumeの記事を読んで気になっていたので助かりました。
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Author:Mat
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